「さかのぼる」と「つながり」が見えてくる

先日の濃溝の滝についての日記でふと思い出したことがあります。

 

シャワークライミングや、沢登りと言われている分野があります。それは、川を上流に、上流に遡って(さかのぼって)いくスポーツ要素満載のものなのですが、千葉でそれが出来るポイントも探していました。川遊びから、もう少しアグレッシブなものまで、と思いまして。

 

結局、良いポイントはあったのですが、谷なのでがけ崩れ多発地帯なども途中にあり、ちょっと自然学校でプログラム化するのは難しいなと言う結論に達して、プログラム化はしていないのですが、自分自身、沢登りをしてみると「水は循環している、そんな当たり前」のことを、自ら実感することになります。

 

川を遡って行けば、やがて、水は少なくなり、雨の時にだけ川になる谷あいの地形に突き当たります。上流付近は、そんな谷川が集まって、一つの流れを作って行きます。雨が谷あいを流れ、名前も無い谷川になり、それが集まり一つの川になる。

 

川の水は森とつながっていて、その水は雨で降ってきたものである(当たり前のことですが)そのことを「あたま」ではなく「からだ」で実感します。

 

蛇口をひねればジャーっといくらでも水が出てくる世界にいる自分達は、そのことを、なかなか実感として経験していません。

 

水も全て雨→山→川→海→雲→雨と地球の大循環でつながっているし、目の前の水を汚染させてしまうということは、やがて自分たちの身にも返ってくるということ。

 

自然の何が好き?と自分に問うたとき、その心地よさだったり、癒された感覚、浄化されていく感覚、鳥の鳴き声、川のせせらぎなど、その場所に身を委ねる「ここちよさ」が好きなのですが、

 

それ以外に、何が好きとひとつ挙げるとするなら、遡ることで「つながり」が見えてくることかな。

 

これは、どんなことにも当てはまります、自然物は単体では決して存在せず、遡っていけば、必ず何かとつながっています。

 

そして、全部が繋がって一つの大循環を作っています、古代の人は地球を一つの生命体「ガイア」と、その存在を「からだ」で感じていました。

 

私たちが、今している「息」もそうです。

 

原始の地球には酸素が無いか、あってもごく微量の分子レベルの話だったそうで。。

 

そこに光合成を行う生命(主に植物の仲間)が誕生することで、酸素が生まれ、今の約21%の酸素濃度というバランスに保たれています。

 

私たちが当たり前にしている「息」も地球の歴史を「さかのぼって」調べていくと、これって植物が吐き出してくれた酸素なんですよね。

 

決して宇宙人がやってきて「酸素発生器」を地球に設置してくれた訳ではないし、むろん人間が作ったものでもありません、

 

私たちのひと呼吸、ひと呼吸が、実は植物と繋がっている。

 

その有難さを知ったら、環境破壊だったり、自然の中にポイとゴミを捨てたり出来る訳がありません。

 

私達、現代人は、便利な生活のあまり、その「つながり」を忘れかけているのかも知れません。

 

その忘れかけたものはテーマを決めて、それを「さかのぼる」ことで見えてきます。

 

お時間のあるときに、何かさかのぼって調べてみてはいかがでしょう?結構楽しいですよ、ハマります。

 

ちなみに、プロの指導無しで、川を遡るのは止めておいてくださいね、今は梅雨、まさに増水や土砂災害の季節ですから、例として挙げましたが、自己流で沢登りをするのは私は止めた方が良いと申し上げておきます。登るとしたら、専門家の指導の上、安全に行ってください。鹿野山自然学校のプログラムとしては冒頭の理由により、今は開催しておりません。